看護師の負担軽減につながる電子カルテ

慌ただしい病院内では、ファイル置場がぐちゃぐちゃになって必要なカルテが見つからないということが起こり得ます。
そのようなイライラを解消し、患者に適切な治療を行うための手段として導入を進められているのが電子カルテです。
病院勤務の看護師は、この電子カルテをどのように使いこなしているのでしょうか。

まず、子どものころからパソコンのキーボードに触れ慣れてきた看護師にとっては、紙のカルテに手書きで記入するよりも電子カルテに入力するほうが時間の節約になります。
紙は劣化して文字が読みづらくなることもありますが、電子カルテは1度入力しておくことで数十年後も簡単にさかのぼって当時の患者の容体を確認することができます。
患者の部位をカメラで撮影した場合も現像して紙のカルテに貼りつける手間がなくなり、デジタルカメラのデータを電子カルテに移行するだけでよくなりました。

コロナ禍も、電子カルテの導入を加速させている一因です。
患者の家族からカルテの開示請求があった際は、いちいち病院に出向いてもらわなくても必要箇所をメールに添付することで、クリアな文字でカルテの開示ができます。
ある病院の院長は、電子カルテを導入したことで看護師の業務負担がかなり軽くなった、と話しています。
また、この院長は看護師の人手不足が問題とされているなかで、良い看護師を確保するためには電子カルテの導入が必須だった、とも話しています。

今後は看護師の申し送り書も電子化し、電子カルテと連結させて事務作業をより効率化することが期待されています。